犬を飼うのに必要な費用~登録・病院編~
犬を飼いたいと思ったときに『犬と暮らすには、どのくらいの費用がかかるのか?』気になるのではないでしょうか。ひとつの命を迎い入れ、その命を守りぬくには、確かに経済的な余裕も必要になってきます。ここでは、犬を飼いたいと思ったときに気になる、費用についてお伝えしていきたいと思います。犬を迎えたときに必要な登録や、愛犬の健康を守るための病院でかかる費用などをまとめてみましたので、参考になればと思います。
もくじ
犬を飼う 迎えたら直ぐかかる費用
犬を飼うことが決まったら、犬と暮らしていくための準備が始まります。
飼い主さんと愛犬が、安心して暮らせるように、犬を迎えたら先ず、健康診断や役所への登録が必要になってきます。ここでは、動物病院での健康診断やワクチンを接種、役所での登録、それらを継続していくのにかかる費用や、変更手続きなどについてお伝えしていきます。お住まいの地域や動物病院によって、価格は異なりますので、参考になればと思います。
動物病院でかかる費用
愛犬を迎い入れたら、動物病院で健康診断やワクチン接種を行います。
犬を飼う方の増加に伴って、動物病院も増えています。どこの動物病院に連れて行こうか、悩まれることもあるかと思います。そこで、信頼できる動物病院かどうか判断することも、飼い主さんにとっても愛犬にとっても大切なことになるかと思います。獣医さんによって、これまでの経験や考え方も様々です。私たち人間と同じように、疑問に思うこと、不安に思うことを、しっかりと相談できる関係を作っていきましょう。セカンドオピニオンも持つことも多くなっています。
【内容】 | 【費用】 | 【備考】 |
初診料 | 1,000~1,500円 | |
健康診断 | 5,000~20,000円 | 検査項目や動物病院によって異なる |
狂犬病予防接種 | 3,000円程度 | +注射済票の発行費用550円 |
混合ワクチン接種 | 5,000~9,000円 | 初年度3回必要 |
健康診断について
健康診断の費用は、動物病院によって、また、検査する内容によって異なってきます。検査項目が増えれば、その分費用もあがります。事前に動物病院に問合せをして、費用や項目を確認しても良いでしょう。
最近では、わんちゃんドッグという言葉が出来るくらい、定期的に健康診断を行う飼い主さまが増えて来ているようです。健康診断をするか否かは、飼い主さん自身が判断することになりますので、いくつか、メリット・デメリットをあげていきたいと思います。
健康診断のメリット
- 早期発見、早期治療
- 日常の生活で気をつけることがわかる
- 「異常なし」の結果に安心して生活することができる
やはり、一番のメリットは早期発見・早期治療でしょう。悪化する前に見付けることで、費用だけではなく、愛犬にとっての負担も軽減できます。また、定期的に健康診断を受けることで、愛犬の体調の変化を数値で見ることもでき、肥満や内臓数値の変化に、日常生活の範囲で気をつけることで、改善に向かう指導も受けられることもあるでしょう。
健康診断のデメリット
- 診断の結果が100%正しいわけではない
- 気になるときは、セカンドオピニオンの受診も検討する
- 過剰な検査は、愛犬に精神的にも肉体的にも負担がかかる
検査結果、獣医の判断が100%正しいとは言い切れません。毎日一緒に暮らしている飼い主さんが一番愛犬の変化に気付いてあげられることかと思います。飼い主さんの目から見て、疑問が湧くようであれば、セカンドオピニオンを受診しても良いかもしれません。しかしながら、過剰な検査も愛犬への負担がかかりますので、飼い主さんと愛犬のQOLを考えることも大切です。
また、金銭的なことをデメリットとしてあげるようであれば、犬を迎えることは諦めた方が良いかもしれません。10年以上に渡って愛犬の命を守る責任が、飼い主さんには生まれるのです。愛犬が健全に暮らせるように、健康を管理することも飼い主の責任です。
健康診断の内容と費用
健康診断の内容については、信頼できる獣医師に相談し、診断項目の検討をすることで安心して診てもらうことができます。多くの検査を受ければ安心ではあるのですが、若いうちから多くの検査をすることは愛犬の負担にもなりますので、年齢や過去の病歴から、獣医師としっかり相談して決めていきましょう。
【ある動物病院の検査内容】わんちゃんドッグ 10,000円
- 問診:現在の体調や過去の病歴、普段の食事や日常生活の様子についての問診
- 一般身体検査:体重測定、体温測定、視診、触診、聴診での、前進を診察。白内障等の目の問題や口腔疾患や腫瘍、皮膚病などの有無を知ることができる
- 一般的な血液検査:肝臓、腎臓をはじめとする主要な臓器の状態や、血糖値・、膵臓の機能異常やコレステロールなどの値 、貧血、脱水状態や感染症について知ることができる
- 尿検査:腎不全の早期発見、結石になる前の結晶の有無を知ることができる
- 便検査:消化の状態、寄生虫や悪玉菌の量などを知ることができる
狂犬病予防接種について
犬を飼ったら、毎年1回愛犬に、狂犬病の予防接種を受けさせることが必要です。狂犬病予防法によって、狂犬病予防接種及び、注射済票を犬に付けておくことが、義務付けられています。動物病院で登録することも可能ですので、通われる動物病院が、登録代行を行っているか、事前に確認しておいても良いでしょうあ。
狂犬病予防接種の時期
- 混合ワクチン接種も同時期に必要な犬の場合、犬の体への負担も考慮して、獣医さんに相談しながら、接種時期を決めましょう。
- 予防注射接種後、万が一、愛犬に異変が起こった時のことを考慮して、午前中に接種することをオススメします。
2年目以降は、お住まいの市区町村より、毎年3月中旬に狂犬病予防注射のお知らせ(封書)が届きますので、その案内に従って手続きを行ってください。
狂犬病予防注射済票
全国統一だった犬鑑札のデザインですが、2007年より、各市区町村でデザインが自由になりました。いつも身につけておくことが義務付けられていますが、金属音が苦手だったり、ぶらぶらするのが気になる子には、犬鑑札ホルダーに入れてあげる方法もあります。とても豊富に色々な種類のものが出ていますので、必要に応じて、愛犬にあったものを見付けてあげてください。
混合ワクチン接種について
混合ワクチンは、犬がかかりやすい病気に対して、あらかじめ免疫力を高めておくための注射です。犬には、感染力がとても強い病気や後遺症が残る病気、発症すると重病になったり、特効薬がない病気もあります。そのため、これらの病気に対して、あらかじめ免疫力を高めておく必要があります。
生まれる前の子犬は母親の胎盤を通して、また、生まれた後は初乳を飲むことによって、免疫が移行(移行抗体)します。しかし、移行抗体は8~12週齡の頃には弱くなってきてしまうので、自分の力で抗体を作り出す必要が出てきます。自分の体で抗体を作り出すには、一度その病気になることが必要ですが、そのために命に関わるような病気にかかるわけにもいきません。その代わりをしてくれるのが、ワクチンです。
混合ワクチン接種の費用
さまざまな種類が販売されていますが、一般的によく使われているワクチンは5~8種のようです。
ワクチンの価格は、動物病院によって異なりので、事前に確認すると安心です。参考程度におおよその目安です。
- 5~6種:5,000~7,000円
- 7~8種:6,000~9,000円
混合ワクチン接種の時期
- 狂犬病ワクチン接種も同時期に必要な犬の場合、犬の体への負担も考慮して、獣医さんに相談しながら、接種時期を決めましょう。
- 予防注射接種後、万が一、愛犬に異変が起こった時のことを考慮して、午前中に接種することをオススメします。
便利な愛犬の母子手帳
混合ワクチンを接種する時期は、愛犬のお誕生日から計算されるため、接種した時期はその子によってまちまちです。そのため、タイミングや時期を管理することも、飼い主さんの責任になってきます。接種した日前後の愛犬の様子や過剰接種の防止など、記録することもオススメします。
また、予防接種を受けたあとの愛犬の様子や過ごし方、毎日の愛犬様子を記録することができる、犬の母子手帳などもあります。毎日の愛犬の様子を記録をすることで、愛犬の健康管理、成長を振り返るものとしても楽しいかもしれません。
役所でかかる費用
犬を迎えたら、お住まいの市区町村へ登録することが義務付けられています。これは、人間社会でいう住民登録のようなもので、狂犬病予防法によって、飼い犬への登録と狂犬病予防注射の義務、及び、交付される犬鑑札を犬に付けておくこと付け、飼い主の責任と所在と明確にし、狂犬病の発生を予防しています。
また、役所に行かなくても、市区町村から委託を受けている動物病院で、登録することも可能です。お住まいの地域、その周辺の動物病院でしたら、委託を受けているところも多いので、通われる動物病院に一度、問い合わせても良いかもしれません。また、お住まいの市区町村外の動物病院にかかる場合は、受付けていなかったり、時間がかかることもありますので、合わせて確認しましょう。
【内容】 | 【費用】 | 【備考】 |
犬の登録手数料 | 3,000円 | 犬の生涯で一度 |
注射済票交付手数料 | 550円 | 年に一度 |
犬の登録について
犬の登録の流れ
- 動物病院で狂犬病予防接種を受ける
- 獣医師より、狂犬病予防接種証明証が発行される
- 注射済証を持って市区町村にいく
- 鑑札と注射済証を交付(2年目以降は、注射済証のみ交付)
手続きに必要なもの
- 印鑑(初年度のみ)
- 狂犬病予防接種済票
*やむを得ない事情で注射が受けられない場合は、動物病院にて「狂犬病予防注射接種猶予理由書」の発行を受けることも可能 - 手数料
初年度:登録+注射済票交付3,550円(登録手数料3,000円+注射済票交付手数料550円)
2年目以降:注射済票交付:550円
犬の登録事項の変更
飼い主の氏名、飼い犬名前の変更、または飼い主の変更
飼い主さんの氏名や飼い犬の名前が変わったとき、また飼い主が変わったときは、お住まいの市区町村で、飼い犬の登録事項変更届を提出する必要があります。
必要なもの
- 飼い犬の登録事項変更届(窓口にある)
- 鑑札(*紛失した場合、再交付手数料1,600円がかかる)
- 手数料は無料
住所の変更(引越しをした場合)
引越しをしたときも、新しい市区町村へ届出を提出する必要があります。
必要なもの
- 飼い犬の登録事項変更届(窓口にある)
- 前の住所地で発行された鑑札(*紛失した場合、再交付手数料 1,600円がかかる)
- その年度に発行された注射済票(狂犬病予防注射済証)
- 手数料は無料
愛犬がなくなったとき
登録していた愛犬が亡くなったときは、お住まいの市区町村へ届出を提出してください。
- 飼い犬の死亡届(窓口にある)
- 鑑札
- 手数料は無料
最後に
犬を迎い入れたら必要な、健康管理や社会への義務が生まれます。
特に健康管理に対しては、ひとつひとつの選択に悩まされることもあるでしょう。
犬を飼うということ、ひとつの命を迎い入れるということは、経済的な理由も含めて、簡単なことではありません。一度迎い入れたら10年以上に渡って、その犬生を守っていく責任が生まれます。愛情だけではどうにもならないこともあるのです。
しかしなから、一度でも犬との暮らしを経験された方が、再び犬を迎い入れたいと思うのは、その存在に一喜一憂しながら、長くはないその犬生で、人の暮らしをもより豊かなものにしてくれる存在になるからではないでしょうか。