犬がトイレを失敗するときの理由と対処法7選

愛犬のトイレトレーニングが終わり『トイレは完璧!』と思っていたのに、ある日突然、トイレではないところで排泄をするようになったり、失敗するようになってしまうことがあります。飼い主さんとしても、困ってしまったり、心配になることかと思いますので、愛犬がトイレを失敗したときの、考えられる理由と、その対処法をお伝えしていきたいと思います。参考になったら、嬉しいです。

もくじ

犬のトイレの失敗について

犬は本来、好きなときに好きなところで排泄をする動物です。しかし現代は、人と同じ空間で生活することになったことで、決まった場所で排泄をすることが必要になっているのです。それは、犬たちが「人の都合に合わせてくれていること」だということを、忘れないでくださいね。

犬のトイレの失敗 これはNG!対処法

トイレの失敗に限ったことではないですが、犬に何かを伝えようとするときに、犬にとって不快な方法を使って伝えようとすると、犬が理解することは少ないばかりではなく、飼い主さんと愛犬の関係性を悪くしてしまう可能性もあります。そして、特にトイレに関しては、返って対処がしにくくなってしまうことになりかねませんので、先ずは、NG!と考えられる、対処法をお伝えしていきます。

1)犬を叱る

どんな理由があったとしても、トイレを失敗した犬を叱るのは、NG!です。

例えば、トイレではないところで、おしっこをしている犬を叱ったとします。すると犬は「おしっこをすると嫌なことが起こる!」という学習をしてしまう可能性があり、その結果、室内でおしっこができなくなってしまったり、飼い主さんの見ていないところでおしっこをするようになってしまいます。

すると、トイレの失敗が増えるばかりではなく、トイレトレーニングを成功させることも難しくなってしまいますので、トイレを失敗しても犬を叱るのは、NG!です。

2)失敗した場所に鼻先を押し付ける

どんな理由があったとしても、トイレを失敗した場所に鼻先を押し付けるのは、NG!です。

「トイレは褒めて教える」ことが主流になってきている現代ですが、過去には失敗した場所に鼻先を押し付ける、なんて方法を行っていたこともあるようです。しかし、犬は自ら排泄物の匂いを嗅いだり舐めたりします。と言うことは、排泄物を汚いものと認識しているのは、人間側だけ、なのではないでしょうか。となると、排泄物に近付けることは無意味だと思うのです。

また、無理に押さえつけることは、飼い主さんと愛犬の関係性にも影響しかねません。なので、間違った情報に流されないように気を付けましょう。

3)犬をかまう

トイレを失敗したときに、犬に向かって大声を出したり、追いかけたりするのは、NG!です。

例えば、トイレではないところで、おしっこしている犬に「コラッ」など、大声を出したとします。すると犬は「おしっこをするとかまってもらえる(楽しいことが起こる)!」という学習をしてしまう可能性があり、その結果、暇なときや飼い主さんにかまってもらいたいときに、トイレではないところでおしっこをするようになってしまいます。

トイレではないところでしてしまったとき、片付ける雑巾を追いかけることが楽しい犬もいますので、片付けている間は、ゲージなどに入っていてもらい、黙ってパパッと片付けましょう。

犬のトイレの失敗をしつけ直す

1)トイレトレーニング不足

トイレトレーニングが完璧ではなかったことで、トイレを失敗することがあります。

犬を迎い入れて間もない犬が、トイレではないところで排泄をする、又は、ある程度トイレでする確率が増えてきたのに、失敗をしてしまうのは、まだ完全にトイレを覚えていないだけかと思います。また、トイレトレーニングが済んでいると言われている犬を迎えた場合でも、場所が変わるとわからなくなることは、よくあります。

[対処法] トイレトレーニングをする。または、し直す。

2)病気や怪我

病気や怪我をしていることで、トイレを失敗することがあります。

それまで、決まった場所でトイレをしてくれていたにも関わらず、トイレを失敗することが続いたときは、病気や怪我をしているかもしれません。愛犬の様子をよく観察しましょう。おしっこの回数が異常に増えたり、一回に排泄される量に変化があったり、残尿感を感じている、など、いつもと違う様子を見ることができるかもしれません。また、体に違和感や痛みを感じ、トイレをする体勢をとることができない可能性もありますので、合わせて観察してください。

いつもと違う様子が見られたり、排泄の様子に変化を感じるようであれば、先ずは獣医さんの診察を受けましょう。病気や怪我ではないとわかったなら、安心してトイレトレーニングを再開しましょう。何より、病気や怪我を治療することが最優先です。

[対処法] 病気や怪我を確認、若しくは、治療してから、トイレトレーニングを再開する。

3)トイレ環境の変化

トイレ環境が変わったことで、トイレを失敗することがあります。

また、トイレを何で認識しているかも、犬それぞれです。例えば、場所で覚えている子であれば、お部屋の模様替えをして、トイレの位置が変わると失敗する可能性があるでしょう。この場合は、一旦元の位置に戻し、どうしても変更したい場合は、徐々に位置をずらしながら、もう一度トイレトレーニングをするくらいのつもりで、新しい場所を教えてあげてください。

また、愛犬が苦手なものが近くにあったとき、例えば、風が苦手な子のトイレの近くに扇風機があったり、ビニール袋が苦手な子のトイレの近くに買い物袋があったり・・・。飼い主さんから見れば、たいしたものではなくても、愛犬にとってはトイレを失敗する原因になっていることがあります。トイレの環境が、それまでと変わりはないか確認して、安心してトイレができる環境を作ってあげてください。

[対処法]

  • トイレ環境に変化がないか確認し、変わっているようであれば、再度トイレトレーニングをする。
  • 愛犬が安心して排泄ができるように、環境を整える。

4)マーキング

自分の臭いを残すために、トイレ以外のところで排泄をすることがあります。

マーキングは、未去勢のオス、未避妊のメスに見られることが多く、一般的にオス犬であれば、メス犬の発情期に反応したアピール、メス犬であれば、発情期を知らせるサインなどと言われています。ホルモンによるものに関しては、オス犬であれば、去勢することによりメス犬の発情期に反応する必要はなくなりますし、メス犬であれば、発情期を知らせる必要がなくなることから、マーキングの頻度は下がりますので、トイレトレーニングがしやすくなります。

[対処法] 避妊、去勢手術を検討する。

また、来客のバッグや靴、知らない人が通った玄関や廊下、初めての場所に行ったときなど、普段の暮らしの中にはなかった新しい匂いに、マーキングをすることがあります。これは、マーキングをすることで自分の匂いをつけ、知らなかった匂いを、安心できる匂いに変化させていることかと思います。犬としては自然な行動で、安心できる匂いに変わってしまえば終わる、ある一定期間のことかと思います。

[対処法] マーキングをされて困る場合は、しそうな場所に、ペットシーツを貼っておく。または、マナーベルトをする。

また、去勢済・避妊済であっても、マーキングをする子もいることから、通常の排泄とは違った意味を持つものであるとも考えられます。また、縄張りのアピールとも言われていますが、現代のように、人の管理下で犬が、縄張りを守ろうとすることは不可能に感じますし、自宅ではトイレにし、お散歩ではマーキングをする子もいることから、情報交換程度のものかとも思えるのです。

[対処法] マーキングをされて困る場合は、マナーベルトなどの一時的な対処と共に、トイレトレーニングを行っていきましょう。その時、マーキングをしたい気持ちに勝るオヤツを使うことが大切になってきますので、先ずはそのオヤツを見付けてあげてください。

また、トイレではないところに、自分、もしくは同居犬の排泄物の臭いが残っていると、同じところにする可能性もあります。

[対処法] ペット用の消臭剤などで、しっかり臭いを取り除きましょう。どうしても、してほしくないところには、ゲートを設けるなど、環境を整えることも有効です。

5)恐怖心からの解放

強い恐怖心を感じたときに、その感情を解放するために、排泄をすることがあります。

おしっこをもらしたときは「失禁(しっきん)」、うんちをもらしたときは「脱糞(だっぷん)」などと呼ばれることもあります。
例えば、病院やトリミングサロンなどで、恐い経験をしたことのある子が、次にその場所に訪れたとき、おもらしをしてしまったり、知らない人に抱きかかえられて、うんちをもらしてしまったり、また、大きな音がするなど、驚いたときに、おしっこやうんちの他に、肛門腺が出てしまう子もいます。

[対処法] 恐怖心を感じている対象を見付けてあげましょう。人間にとっては、たいしたことないものが、対象になってることもありますので、愛犬を守るために、必ず見付けてあげてください。

  • 取り除けるものであれば、取り除いてあげてください。
  • 病院やトリミングサロンは、飼い主さんの方でもう一度、信頼のおけるところか判断してから、
    「恐怖を感じる場所→まあまあ我慢できる場所」という学習を、し直してもらいましょう。実際に診察を受けるときにだけ病院に行くのではなく、お散歩で前を通ってみたり、落ち着いていられたら、中に入ってみたり、愛犬の様子を見ながら、少しづつ慣らしていきましょう。
  • 大きな音に関しても、徐々に慣らしていく学習をすることは可能ですが、出現頻度の低いものに関しては、トレーニングの必要性も低いかと感じます。大きな音に恐怖を感じる子だと、飼い主さんの方でわかってあられたなら、避けてあげるという選択肢もありだと思います。

6)興奮しておもらしする

もの凄く嬉しくなっちゃった犬が、興奮のあまり、排泄をすることがあります。

一般的に「うれしょん」と呼ばれているもので、子犬のころに多いと言われています。それは、色々なものに興味を持つ時期で、些細なことに興奮したり、気持ちのコントロールできなかったり、また、排泄を抑える筋肉が成長過程であることから、我慢できないことからから、1才未満の子犬のころに多く見られると言われています。この場合は、成犬になるにつれて、頻度は減ってくることになるかと思います。もちろん、個体差がありますので、成犬になってからもする子もいます。

そして、「うれしょん」には、『あなたのことが大好き!』『一緒に遊べて嬉しいよ!』という、愛犬たちからのメッセージが含まれているように感じます。うれしょんしてしまうくらい、あなたのことが大好きなんて、素敵なことだと思います。

[対処法]
  • 定期的にエネルギーを発散させるために、お散歩や遊ぶ回数を増やす。
  • 日常の中でも、遊ぶときと落ち着くときのON/OFFを飼い主さんの方でも意識する。

7)老齢でおもらしをする

年を重ねることで、トイレを失敗するようになることがあります。

愛犬が老齢期になり、これまで飛び乗っていたソファーに乗れなくなったり、全体的にスローな動きになったり、これまの愛犬とは違う、変化を感じるときがやってきます。ずっと見守ってきた飼い主さんだからこそ、気づけることかと思います。老化に伴い、膀胱や神経系の機能が低下することで、自ら排泄をコントロールすることが困難になっていきます。本犬の意思とは全く関係ないことですので、ペットシートやマナーパンツなども利用して、飼い主さんの負担も減らして行きましょう。

[対処法] トイレシートを敷き詰めたりなど環境を整え、マナーパンツをする。

まとめ

愛犬を迎い入れて直ぐにするのが、トイレトレーニングかと思います。悪戦苦闘しながらも、トイレトレーニングがひと段落し、ホッとしたころ、新しい環境にも慣れ、色々と興味の対象が増えてきた愛犬は、楽しいことに夢中で、トイレに戻ることが二の次になってしまうときがあるかもしれません。成長に伴い、マーキングをすることがあるかもしれません。恐い思いや、嬉しい思いで、うれしょんをするときがあるかもしれません。愛犬のおもらしから、病気や老化を感じることがあるかもしれません。

相手は生き物。トイレの失敗ひとつにしても、愛犬からのメッセージが込められているかもしれません。普段と違う様子が見られたときは、メッセージを気にかけてあげてくださいね。

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