犬を飼いたいと思ったら 確認したい心構えと覚悟

犬を飼っている方にとって愛犬は、とても大切で、なにものにも変えられない存在だと思います。だからこそ、これから犬を迎えたいと思っている方に、今一度考えてみてほしいことがあります。ひとつの命を家族として迎い入れるということは、人の都合だけでは乗り切れないことも起こるのです。そんな時、あなたは愛犬を守ることができますか?

ここでは『犬を飼いたい!』と思った時、迎い入れる前に確認してほしいことについてお伝えします。あなたが、犬を飼いたい理由は何でしょうか?今一度冷静になって、本当に、犬を迎える覚悟はあるのか、ご家族と話し合ったり、ご自身と向き合っていただければと思います。

もくじ

犬を飼いたい理由は何でしょう?

犬との暮らしは、楽しくて幸せなものです。しかし、もしあなたが犬を飼いたいと思う理由が、これから挙げることに当てはまるとしたら、あなた自身、又は、迎い入れる犬のどちらかが、幸せになれないかもしれません。なぜなら、犬を飼うということは、楽しいことばかりではないからです。

一度迎え入れたら、10年以上に渡って一緒に暮らすことになります。途中で放り出すことはできないのです。その子が犬としても生を全うできるように、その命が尽きるまで、どんなときもあなたの存在が必要になるのです。『飼いたい!』気持ちを一旦置いて、冷静に考えてみましょう。

ペットショップで一目惚れ

幼くて、たどたどしい動き、クリクリしたお目目であなたを見つめてきた子犬は、愛しい以外の何ものでもないでしょう。母性本能によって「この子を迎えたい!」と思うことは、自然なことだとも思います。

しかし、ペットショップにとって子犬は商品。幼すぎる子犬を並べることは、消費者の気持ちを動かすことが、目的でもあるのです。でも、迎い入れるあなたにとって、子犬は商品(もの)ではなく、家族の一員となる大切な命です。例え一目惚れをしたとしても、迎い入れる前に、その犬種について調べたり、自分たちのライフスタイルに合うのか検討し、その子の犬生を受け入れる覚悟があるのか、もう一度よく考えてみてください。

子供におねだりされて

子犬はぬいぐるみではありません。食べたり、飲んだり、出したり、遊んだり、そして、気持ちを持った、ひとつの尊い命です。更に、一緒に暮らす家族に合わせる必要があるため、迎い入れたばかりの子犬は、人と暮らすためのルールを知りません。それぞれの家庭に合わせて、伝えていく必要があるのです。

多くの場合その役割を担うのは、一緒にいる時間の長い、お母さんになるかと思います。子供が欲しいからといって、犬の世話を子供だけに任せることには限界があります。ですから、お子さんが欲しいと言った場合でも、最終判断をされるのは、お子さんではなく、お母さん、もしくは犬との時間を一番長く過ごす大人、がすることが適当かと思います。

子供に『命の大切さ』を教えるため

犬と共に暮らしていく中で、命の大切さを知ることは必然だと思います。それは、お子さんが10才の時に0才の犬を飼ったのであれば、お子さんが社会人になるまで一緒に暮らすことになるからです。もちろん、要所要所で教える必要があることもあるかと思いますが、一緒に暮らしていく中で、自然に感じ取っていくものではないかと思います。

ただ、子犬の世話を子供に任せたとしても、見守る大人の存在は不可欠です。なぜなら子供は、子供業が忙しいからです。学校や習い事、お友達との時間や部活、成長するに連れ、バイトや就職活動、大学生や社会人になったら、帰宅時間もまちまちになってくるのです。

犬の世話を子供に任せるのではなく、大人がフォローし、どんな時でもその小さな命を大切にする姿、責任を持って向き合う姿から『生命の大切さ』を学ぶのではないかと思います。

「結局私が、面倒を見ることになるんだから飼わない」という選択肢も有りだと思います。ただ、犬を飼うことは、悪いことばかりではありません。犬はいつでも、ありのままのあなたを受け入れ、どんなときも全力で寄り添ってくれる存在なのです。もちろん、良いことばかりではないけど、その何倍も幸せな時間を過ごさせてくれるでしょう。

一人暮らしが寂しい

「犬がいたら楽しいだろうなぁ~」と、寂しさを紛らわすために、犬を迎い入れようとしていませんか?もしあなたが、20代30代で、これから転勤があったり、結婚したり、生活に変化があった時、犬はどうするのですか?そもそも、仕事から疲れて帰ってきて、お散歩に行く自信はありますか?子犬の体調が悪くなった時、仕事を休めますか?あなたにとって都合の悪いことを、犬のせいにしたりしませんか?結婚を考える相手が、犬が苦手な方だったら、どうするのですか?

そしてもし、あなたが70代80代だとしたら、万が一あなたに何かあったとき、犬はどうするのですか?また、一人暮らしをしている父親や母親にプレゼントをしたいと思ったのだとしたら、お父様お母様に何かあった時に、あなたが飼い主を引き継ぐ覚悟はありますか?その場合、それまでの暮らしと同等の暮らしを提供できますか?

実際、一人暮らしで犬を飼うことは、簡単なことではありません。あなたの生活スタイルが安定してからでも遅くはないと思います。

自己満足のため

CMで人気になった犬種を迎えたり、映画に出ていた犬種を飼ったり、残念なことに犬種にも流行りがあるようです。ですが、ブームは全て人が作り上げたものです。流行りのものを身につけることと、犬を飼うことは全く別のことなのです。なぜなら犬は、人と同じように、ひとつとして同じ個体はいません。ツッコミが苦手な関西人がいるように「この犬種だからこう!」と、言いきることはできないのです。イメージと違ったとしても、ありのままのその子を受け入れて大切に育てていくことはできますか?

また最近では、SNS映えを意識するあまり、犬をアクセサリー代わりにしたり、過剰に着飾らせたり、犬としての姿から程遠いものを見かけるようになりました。犬は気持ちを持ったひとつの命です。あなたの自己満足を満たすためのものではありません。

最後に

『どんなことがあっても、この子の犬生を私が守りぬく!』

この覚悟さえあれば、これまで述べたことが当てはまったとしても、その覚悟が全てをクリアにしてくれることでしょう。

特に、子犬期は人の子育てるのと同じくらい手がかかりますし、調子が悪くなれば、病院に駆け込むこともあるでしょう。成犬期には、大切な存在になればなるほど、悩み迷うこともあるでしょう。シニア期には、大切な存在の老いと向き合う、介護が必要になることもあるでしょう。そして、その全ての時間と向き合ったからこそ、愛犬との時間は、かけがえのないものになっていくのだと思います。

一度向かい入れたら「やっぱりいらない・・」と、飼育放棄をすることはできません。家族の一員として犬を迎い入れることは、良い時も悪い時も、その子がその犬生を全うできるように、愛を持って付き合うことが必要なのです。

犬を飼うということ、犬と共に暮らすと言うことは、他のなにものにも変えられない、素晴らしい時間となるでしょう。犬たちが持つ、真っ直ぐでピュアな姿から人は、多くのことを学び、その子を見送る時、感謝しかないということになるでしょう。

犬を迎い入れる覚悟はできましたか?

 

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