犬がお散歩で歩かない理由と対処法5選

もくじ

犬がお散歩で歩かない

お散歩の支度を始めると喜ぶし、お外に出ると楽しそうに歩いている。なのに、お散歩の途中で、立ち止まってしまったり、座り込んでしまったり、そういった経験を皆さんも一度はしたことがあるのではないでしょうか。

飼い主さんから見ると、突然歩かなくなってしまったように思われる、この行動。犬はなぜ、歩かなくなってしまうのでしょうか。お散歩で歩かなくなったとき、愛犬はどんな気持ちでいるのでしょうか。

ここでは、愛犬が動かなくなってしまう理由と、その対処法についてお伝えしていきたいと思います。

1)お散歩で歩かない 子犬の場合

子犬のお散歩デビューでは、歩かないということが良く見られます。子犬にとって、初めての場所、初めての匂い、初めての音、初めての感触などなど。初めて尽くしの環境に戸惑ってしまい、歩かないのではなく、歩けないという、まだ外の世界に慣れていない状態なのです。

では、具体的にどんなことをしたら良いでしょうか?子犬の気持ちを考えて、無理に歩かせようと思うのではなく、「初めての環境で歩けるなんで、むしろ不自然!」くらいに思って、気長に付き合ってあげましょう。そして、大切な社会化期でもありますので、子犬にとって、心地良い経験を積んでいきましょう。

段階的にお伝えしていきますので、愛犬の様子によって、対応してみてくださいね。

1)子犬にとって安心できる環境を選ぶ

子犬が外に出て直ぐに止まってしまうようであれば、子犬にとって、安心できる環境から始めましょう。大きな音がしたり、車の通りが多かったり、子供たちの登下校の時間だったり、不安を感じる要素は様々ですが、できる限り、子犬が安心できる、ご自宅周りの落ち着いた環境から慣らしてあげましょう。
もしも、ご自宅を出て直ぐが道路だったりする場合は、静かな場所まで抱っこで移動してから、子犬を地面に降ろしてあげても良いですし、土や草が好きな子犬も多いので、公園まで抱っこで移動してから、芝生の上に降ろしてあげるのも良いかもしれません。

2)歩き出すのを待ってみる

お散歩と聞くと、歩くことをイメージするかもしれませんが、初めは無理に歩かなくても良いのです。公園の芝生に一緒に座って、初めての匂いを嗅いで、初めての音を聞いて、初めてのものを見て、子犬と一緒にのんびり過ごす時間は、贅沢な時間になるかとも思います。子犬と一緒に自然の空気を吸って、風を感じて、深呼吸してみることは、飼い主さんにとっても、気持ちの良い時間になるのではないでしょうか。そして、飼い主さんがリラックスして過ごしていることは、子犬の安心感にもつながってくるかと思います。

3)歩き出したら慣れるまで自由に

自ら歩き出すことができたら、リードの長さの範囲で、しばらく子犬の様子を観察してみましょう。初めての匂いに興味を示したり、少し離れても戻ってきたり、興奮してぴょんぴょんしだしたり・・・。子犬を観察しながら、「凄いねぇ~」とか「楽しいねぇ~」と話しかけたりしながら、自由に過ごさせてあげることで、愛犬の成長を楽しむことができるかと思います。

愛犬の様子で、そのまま歩いて帰っても良いですし、抱っこで帰っても良いかと思います。

ただし、子犬にとって危険なものがないか確認してください。また、口にしてしまうものがないかよく注意して、誤飲にだけは十分注意してください!

4)少しづつ、行動範囲を広げて見る

子犬が慣れてきた場所を中心に、少しづつ行動範囲を広げて行きましょう。この頃になれば、少し戸惑っているだけのようなら、軽くリードを引いてみても良いかと思います。ただし、人にとってはいつもと変わらない風景も、子犬にとっては見るものも匂いも、違っていることもありますので、焦らず広げて行きましょう。

大切な社会化期でもあり、飼い主さんとの関係を作る時期でもありますから、子犬にとって、心地良い経験を積んでいってあげましょう。

5)遊びたくて止まる

子犬は、好奇心旺盛の時期でもあります。すれ違う人や犬に遊んでもらいたくて、立ち止まって、遊んでくれる相手か確認していることもあります。相手が犬好きの人や犬の場合は、挨拶をさせてもらっても良いかと思いますが、相手が犬好きばかりとは限りません。そんな時は、すれ違った後に「上手だったね♪」など、遊びたい気持ちでもすれ違えたことを褒めてあげてください。そして、お散歩の続きを一緒に楽しんであげてくださいね。

2)お散歩で歩かない 成犬の場合

1)成長過程を理解する

犬は基本的に、子犬の頃から様々な人、犬、ものに出会い、少しずつ社会性を身につけて成長していきます。しかし、社会化をする時期に、家族などの特定の人間以外の人や犬と接する機会が少なかったり、様々な音や物に接する経験が少ないと、知らない人や初めてのものに対して、慎重になることがあります。

そして、第2社会化期と言われる12~28週齡以降、犬は成熟していきます。「7ヶ月頃から急に恐がるようになった」「今まで仲良くできたのに、急にそっけなくなった」など、愛犬の様子に変化が起こる時期であり、成長過程で考えると当たり前のことでもあるのです。愛犬の個性が出て来る時期でもあるので、愛犬の好きなもの、嫌いなものを理解してあげてくださいね。

2)見慣れないもの・人・犬を見つけて動かない場合

いつも通る道でも、普段ないものがあったりすると、犬が警戒して歩かなくなることがあります。例えば、工事現場のコーンやブルーシート、バイクや自転車にかけてあるカバーが揺れたりすること、ベビーカーや車椅子などを気にする子もいます。

また、知らない人を見つけたり、初めての犬を見つけた時にも動かなくなってしまう子もいます。

犬の気持ちとしては「危なくない?」といったところでしょうか。

対処1)別ルートに変更する

飼い主さんの方で、前もってその存在が確認できたなら、その場所を無理に通る必要はなく、別ルートのお散歩に変更しましょう。また、予測できなかった場合は、愛犬に向かって楽しそうに「ターン♪」などと声を掛け、別の道に入っても良いですし、Uターンしても良いでしょう。安全が確認できたところでオヤツをあげると「ターン♪」の合図で飼い主さんと歩くと、オヤツがもらえると学習することで、回避しやすくなっていきます。

対処2)通過するのを待つ

こちらに対して特に影響がない、ただの通行人であれば、できる限りの距離を確保して、通り過ぎるのを待ってあげましょう。何事もなく通過することの積み重ねで、愛犬自身が「安全だ!」という経験を積むことで、慣れていくことになるかと思います。

しかし、もし相手が犬好きの方で、近付いてきたり、話しかけてくるような時には、愛犬の様子に注意をしてください。もしも、愛犬が不快な様子を示しているようなら、相手の方に「人が苦手なんです!」としっかり伝えて、愛犬を守ってあげてください。次回から、知らない人を見かけた時点で、別ルートに変更してあげましょう。

対処3)オヤツを使って愛犬の注意を飼い主さんに向ける

別ルートに変更することが難しい場合は、オヤツを使っても良いでしょう。しかし、この時に使うオヤツは「愛犬が気になる対象に勝るオヤツ」でないと、愛犬の気を惹くことができません。この対処法を用いる場合は、先ず、愛犬の大好きなオヤツを見つけられるかどうかが、ポイントになってきます。愛犬にとって「気になる対象より、飼い主さんに注目している方が良いことがある!」と思うことで、気になる対象があっても、飼い主さんに注目している間に、通過することができるようになるかと思います。

オヤツが見つかったら、すれ違う時に愛犬の鼻先に持っていって、匂い嗅がせたり、少しづつ食べさせたりしながら、通過してみてください。

対処4)抱っこで通過する

ここまでの対処法で難しいようだったり、急いでるようであれば、抱っこで通過しちゃいましょう。

3)お散歩で歩かない 学習による場合

いつもは普通に歩いている道で、特に苦手な様子もなく、愛犬が飼い主さんの顔を見たりして止まっているようなら、学習によって歩かなくなっている可能性もあります。

例えば、オヤツが好きな犬に対して「止まったら、オヤツがもらえた!」、また、抱っこが好きな犬に対して「止まったら、抱っこしてもらえた!」ということをくり返していると「止まったら、良いことがある!」と、飼い主さんにそんなつもりはなかったとしても、結果的に犬にとって「歩かない方が良いことがある!」ということが起こっているのは、よくあることです。

対処

オヤツをあげるタイミングや、抱っこをするタイミングを確認してみましょう。特に苦手な様子もないようで、いつもは普通に歩いている道なのであれば、軽くリードを引いて、歩くことを促してみましょう。余裕があるなら、歩き出すまで待っててあげても良いでしょう。歩きだしたら「楽しいね♪」など、オヤツが欲しい気持ちでも歩き出せたことを褒めてあげてください。そして、お散歩の続きを一緒に楽しんであげてくださいね。

ただし、苦手なものがあるときにオヤツを使うことと、何もないときにオヤツが欲しくて止まってしまうことは、全く別の問題ですので、混同しないように気をつけてください。

4)体調の変化

年齢を重ねるにつれ、体調に変化が出てくるのは、犬も人も同じです。いつも元気にお散歩に行く愛犬が、お散歩に行きたがらなかったり、歩いている途中で止まってしまうようなときは、何か異変を感じているのかもしれません。食事や排泄、日常の様子なども合わせて確認し一度、獣医さんに相談してみても良いかと思います。

もしも、愛犬が不調を感じているにも関わらず、他のことを原因だと思ってしまうと、病気を悪化させ兼ねません。日頃から愛犬の様子をよく観察して、気を付けてあげましょう。

5)天気

犬種によっては、暑さに弱いタイプ・寒さに弱いタイプ、そして、温度だけでなく、湿度や気圧なども影響していることがあります。いつも決まった時間にお散歩に出ているからといって無理をせず、愛犬の様子を見ながら調整をしてあげることも大切だと思います。

愛犬と飼い主さんにとって、楽しめるお散歩でなければ、無理に行かなくても良いとも思います。そんな時はお家で、たくさん遊んであげてくださいね。

最後に

犬は、お散歩を楽しむものだと、当たり前のように思っていると、歩かない愛犬の姿に驚くことがあるかもしれません。

特に子犬の頃は、なかなか歩かなくて苦労した、という話はよくあることです。そして、成長段階で愛犬は様々な変化をしていくことになるでしょう。その中で、愛犬が「歩かない」ことに対して、その理由を理解していくことになるかと思います。愛犬がお散歩で歩かなくなった時、愛犬の様子や周りをよく観察し、何がその原因になっているのかを判断して適切な対処をしてあげましょう。

とは言っても一番は「一緒に行く飼い主さんが愛犬との散歩を楽しむこと!」
例え、歩かなくなっても、一緒に外に出て、おしゃべりをして、家の中とは違った空気を感じるだけでも、飼い主さんと愛犬が楽しいと感じるなら、それがその家族のお散歩なのです。

ぜひ、お散歩という時間を通して、愛犬との時間を楽しんであげてくださいね。

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