犬の無駄吠えを直す方法!タイプ別4選!

犬の飼い主さんの多くのお悩みの一つでもある「無駄吠え」。犬が無駄に吠えることはあるのでしょうか。犬は「やりたいことはする、やりたくないことはやらない」と、とてもシンプルに生きているだけではないでしょうか。となると、人にとっては無駄だと感じる吠えも、犬にとっては必要で吠えている、と考えることが正しいのではないでしょうか。つまり、人にとっての無駄吠えは、犬にとっては必要なことであり、何かしらのメッセージを伝えているのだということ。

とは言え、他人に迷惑がかかってしまうほど、吠え続けるのであれば、飼い主としても対処をしないわけにはいきません。犬はお願いをすれば聞いてくれる動物ですので、愛犬からのメッセージを受け取ったうえで、飼い主さんができる対処、しつけ方法をお伝えしていきます。

もくじ

犬の無駄吠えについて

はじめに、無駄吠えに限らず犬は「口でコミュニケーションを取る動物」だと言うこと。吠えること以外にも、噛んだり、舐めたり、唸ったり・・・。全ては犬の感情表現で、犬としては自分の気持ちを伝えているに過ぎない、犬として自然な行動なのです。

「吠える」=「いけないこと」と決め付けてしまうと、愛犬からのメッセージを受け取れなくなってしまい、その対処の仕方も間違ってしまい兼ねないことから、メッセージを受け取れることは、とても大切になってきます。そして、自分のメッセージを受け取ってくれる飼い主さんと暮らせることは、愛犬の安心にもつながり、場面によっては『吠えなくてもいいんだ』と愛犬がわかってくれたなら、吠える行動の減少にもつながってくるかと思います。ぜひ、愛犬からのメッセージを受け取れる飼い主さんになってくださいね。

犬が吠える理由はなんでしょう?

犬にも、人と同じように気持ちも感情もあり、「吠える」ことでその感情を表現をしているのです。ということは、その理由は、場面を含めて様々だということ。例えば、嬉しかったり、嫌だったり、何か欲しかったり・・・を「吠える」という行動で伝えてくれているのです。

そして、犬が吠えるようになったのは、人と暮らすようになってからとも言われています。犬同士であれば、吠えずに気付く些細なことも、人は気付かずにいて、犬としてはどうしても伝えたくて、吠えてみたら反応があった!ことから、「吠える」という行動が定着したとも言われてます。人が感じていることより多くのことを、犬は理解しているのかもしれませんね。

犬は吠える動物なのでは?

小さな子供が犬を見て「わんわん」と言うように、犬が「吠える」動物だということは、誰もが知っていることなのではないでしょうか。犬は吠える動物です。吠える動物を飼っているのです。そして、犬を飼っていい環境で暮らしているのなら、多少の吠えは受け入れられていいものなのではないでしょうか。吠える動物を飼ったのに、犬としての自然な行動を抑え込み過ぎることは、犬にとって、あまりにも窮屈なことではないでしょうか。そして、「吠えない」ことを目標にしてしまうと、犬だけではなく飼い主さんも窮屈になってしまいます。

とは言え、吠え続けることは、人にとっても犬にとっても負担になってしまうこともあるかとも思いますので、何事もほどほどで、「うん、わかったよ」とコミュニケーションができる程度に留めておくことが望ましいかと思います。

犬の無駄吠えの対処法のコツ

1)「吠えないで!」ではなく「○○してね!」とお願いする

愛犬が吠えていることに対して、「吠えないで!」と言っている方も多いのではないかと思います。しかし、「○○しない」というのは、行動ではないため、犬にはどうして良いのか伝わりません。「吠えないで!」ではなく、代わりにしてほしい行動をお願いしていきます。

2)飼い主さんが落ち着く

犬は、飼い主さんの行動をよく見ていますので、飼い主さんが慌ててしまうと、一緒になって慌て興奮してしまうことにもつながります。なので、最初から完璧を求め過ぎず、先ずは飼い主さんが落ち着いて、対処することを心がけてください。

犬の無駄吠えの対処法

1)ピンポン(インターホン)が鳴ると吠える

「ピンポンが鳴る=誰か知らない人が家に来る」ことは、状況が変わり、犬の感情に変化が起こるきっかけになります。家族以外の人が家に来るのは、犬だけではなく人にとっても、緊張することなのではないでしょうか。人は前もって、お客さまがいらっしゃるとか、宅配便業者が安全なものだと理解していますが、犬にとって個体差はあるものの、その都度気になるものではないかと思います。

☆犬が喜んでいる場合の対処法☆

お客さんが来たときに、嬉しい経験をしている犬にとっては、来客は嬉しいものです。相手が犬好きな人であれば、ひとしきり挨拶をさせてもらえば、犬の気持ちも落ち着き、吠えも収まることかと思います。しかし、挨拶をさせることが不可能な場合もあります。そんなときは、リビングでオヤツを食べて待っててもらっても良いですし、トレーニングをする余裕があれば、クレートで待っている練習や玄関先で待ってる練習をしても良いかと思います。

☆犬が恐がっている場合の対処法☆

1)ピンポンが鳴ったら、大好きなオヤツを撒く

「吠えないで!」ではなく、「オヤツを食べててね」
「ピンポンが鳴る=良いことがある」と学習してもらうために、大好きなオヤツを撒きます。オヤツを食べてるうちに用事を済ませてしまえば良いのです。撒いたオヤツを食べずに吠えているようであれば、もっと好きなオヤツに変えてみてください。食べてくれるものでない限り、この学習は成立しませんので、ピンポンに吠えたい気持ちに勝るオヤツを探して、撒いてあげてください。毛足の長いマットに撒くのもオススメです。

『吠えているときにオヤツをあげると、吠えていることを褒めることにならないか?』と思う方もいらっしゃいますが、先ずは恐い気持ちを、少しでも楽しい気持ちに変えてあげることが目的です。なので、吠えていてもオヤツを撒いちゃってください。くり返すうちに「ピンポンが鳴ったらオヤツが撒かれる」と学習し、例え吠えながらだったとしても、飼い主さんのことを見るようになります。そうなってきたら、やっていることは正解です。これで解決するのであれば、完了です。

2)ピンポンが鳴ったら、愛犬を呼び戻してから、大好きなオヤツをあげる

「吠えないで!」ではなく、「ハウスでオヤツを食べててね」
1だけではまだ吠えが気になるようであれば、ピンポンが鳴って、飼い主さんを見ているときに、愛犬を呼び戻し、オスワリをしてもらってから大好きなオヤツをあげる、とステップアップしていってください。オスワリ以外にも、クレートやサークルに慣れている子であれば、中に入ってから大好きなオヤツをあげても良いです。吠えていても、呼び戻しができることで、吠えている時間も減りますし、してほしい行動(オスワリマテ・ハウスなど)をお願いしやすくなります。して欲しい行動を決めてくり返すうちに、ピンポンが鳴ったらその行動をしてくれるようになります。愛犬が大好きなオヤツを食べているうちに、用事を済ませちゃってください。

3)ピンポンを鳴らして家族が入る

「ピンポンが鳴る=誰か知らない人が家に来る」と思っている場合、必ずしもそうではないことを、学習させることが有効な子もいます。ピンポンを鳴らして、インターホン越しに愛犬の名前を呼んでもらっても良いですし、ピンポンを鳴らして、ご家族どなたかが入ってくる、を繰り返すことで、ピンポンが鳴っても知らない人が来るわけではない、ということを学習することもあります。

☆ポイント☆

始めから「吠えない」ことを目標にしない

「吠えなかったらご褒美をあげる」としてしまうと、なかなか褒めることができず、学習する機会が減ってしまいます。なので最初は、「吠える」と同時に行えない(たまに食べながら吠えるこもいますが)「食べる」という行動で「吠える」行動を減らしていくことを目標にしていきます。「ワンワンワン!ワンワンワン!わんわんわんわんわんわんわん・・・」を「ワンワンワン!ワンワンワン!」と少しずつ吠える時間を短くしていき、「ワンワン!(誰か来たよ)」くらいを目標に減らしていきましょう。

2)ハウス(クレートやケージ)に入れると吠える

犬は本来、洞穴など狭い空間で暮らしてきたので、「クレートなどの狭い空間を好む」という考えがあります。しかし、洞穴とハウスでは大きく異なる点があります。それは、「扉がある」ということです。洞穴にはもちろん、扉はありません。なので、犬自身の意思で出入り自由なものに対して、ハウスは扉があることから、その自由が奪われてしまいます。

とは言っても、犬にとって安心できるスペースがあることは、犬にとっても、人にとっても都合が良いことは確かです。そのためには、ハウスが愛犬にとって、安心できる場所、くつろげる場所になることがとても大切になります。慣れるスピードも犬それぞれ。一気にできるようにしようとせず、愛犬の様子を感じながら、ゆっくり慣らしていってあげてくださいね。

☆「出して!」と要求している場合の対処法☆

1)吠えたら、タオルなどで目隠しをする

ハウスに入れた時に犬が吠えたら、声を掛けたり犬を出したりせずに、タオルなどでそっと目隠しをしましょう。視覚からの刺激を減らすことによって、落ち着きやすくなりますし、飼い主さんが見ることを控えるようにできます。もしも、吠えたときに、声をかけたり、犬を出してしまうと、犬は「吠えたらかまってもらえる!」「吠えたら出してもらえる!」と学習することになりますので、タオルをかけたら落ち着いて、日常を過ごしてあげてください。出すときも吠え止んでから、静かに、落ち着いて扉を開けてあげましょう。

2)入れる前にたっぷり遊んであげる

ハウスに入るよりも、飼い主さんと一緒に過ごす方が楽しいと犬が思っていたら、ハウスには入りたくないと思います。なので、ハウスに入れる前には、たっぷり遊んであげましょう。お散歩に行くこともオススメです。心も体も満たされることで、安心して休憩していてくれるでしょう。

☆「恐いよ!」とハウスに慣れていない場合の対処法☆

1)ハウストレーニングをする

①大好きなオヤツを使って、犬をハウスに誘導します

②ハウスにオヤツを投げ入れて、犬が食べに入るのを待ちます

③何回かくり返して、犬が自ら入ることがあれば、その瞬間(入っている状態)にオヤツをあげ、一旦外にオヤツを投げて、出てもらいます。再び犬が自らハウスに入るまで待ちます。入らない時はオヤツを投げ入れても良いですし、犬の集中が続くようであれば待っていても良いです。オヤツの使い方は、ハウスに入っているときに3粒、外に出てもらうのに1粒と、ハウスに入っている時の方が、犬にとってメリットがある状況を意識して使っていきます。これをくり返し行い、ハウスに入っている方が、自分にとってメリットがある!と犬が理解していけば、自らハウスに入るようになります。

犬が自らハウスに入ることがなければ、②をもう少し繰り返すか、オヤツをもっと好きなものに変えてください。

④犬がハウスに入ることに抵抗がなくなったら、扉をつけます。扉を閉めて大好きなオヤツを入れます。落ち着いて入っている間に出します。その時間を記録し、徐々に長く入っていられるように時間を伸ばしていきます。

いきなり、長時間入れると、犬にとって嫌なイメージがついてしまう可能性があります。そうなると、再びトレーニングのし直し(場合によってはマイナスイメージから)になりますので、のんびりした気持ちで、ハウスしている時は覗いたり話しかけたりせず、犬が落ち着ける環境で、徐々にハウスしている時間を伸ばしていってください。

⑤ハウスに良いイメージを持ってもらうために、普段から時々、ハウスの中にオヤツを隠しておいてあげても良いですし、タイミングよくオヤツをあげられない時は扉を外して、出入り自由にしておいてあげても良いです。扉のない状態で愛犬が中で寝ているようであれば、そっと扉を付けてあげても良いです。

このようなトレーニングを行い、ある程度落ち着いて入っていることが出来るようになると、「出して!」と吠えて伝えてくることがあります。その時は、上記☆「出して!」と要求している場合の対処法☆を、参考にしてみてください。

3)食事の支度を始めると吠える

いつも決まった時間、決まった流れで食事を与えていると、その時間になると吠えるようになる子もいるようです。ですが、そもそも食事の時間は、犬にとっても人にとっても、毎日の中で楽しみな時間なのではないでしょうか。毎回、ご飯の支度をすると吠えている愛犬が吠えないと『吠えない・・・!どっか具合が悪いんだ!』と、判断するご家庭もあるようです。「早く食べたい!」と言うのは、いわゆる要求吠えをしているのですが、それは健康な証拠でもあるのです。

子犬の頃は特に、体を作るのに大切な時期です。はちゃはちゃしている時期に、オスワリマテをさせなくてはいけない!なんてことはないのです。健康な子であれば、トレーニングはいくつになっても教えることができます。成長に伴い落ち着いてきたら、オスワリするのを待ってみても良いですが、食事前のオスワリマテより、日常でちょっと待ってほしいときのオスワリマテの方が、意味があることと思いますので、食事前のオスワリマテにこだわらず、健康で元気な子犬を育ててあげてくださいね。

☆対処法☆

1)パパッと準備をして、パパッとあげる

2)前もって準備をしておいて、ご飯のタイミングになったら、パパッとあげる

3)できそうだったら、オスワリをするまで待ってる

4)お留守番のときに吠える

犬は本来、群れで生活する動物なので、一人で過ごすことは得意ではありません。一人でいることに、不安を感じて吠えているのです。特に子犬の頃や、成犬でもお迎えして直ぐの頃は、新しい環境に慣れていない、ここが自分の居場所だと安心できていない場合があります。

その子が育ってきた環境が大きく影響してくるかと思いますが、ここでは、「お留守番している間、どのくらいの時間吠えているか?」を目安に、対処法をお伝えしていきたいと思います。今は、愛犬の様子を確認できる、お留守番カメラも充実していますので、必要であれば、お留守番の様子や吠えている様子や長さを確認しても良いかもしれません。

①吠えている時間が10分以内の場合の対処法

出掛けるときに、時間のかかるオヤツをあげる

「飼い主さんが出掛ける=良いことがある!」と学習することで、飼い主さんが出掛ける支度を始めると、「良いことがある!」と、ワクワクの気持ちで過ごすことができます。食べている間に出掛けるため、誤飲の恐れがあるものは避けましょう。

②吠えている時間が60分以内の場合の対処法

出掛けるときに、時間のかかるオヤツ+知育玩具をあげる

オヤツを食べ終わっても、知育玩具で遊ぶことで、不安な気持ちを紛らわすことができます。食べる時間が早くなったら、知育玩具の数を増やしたり隠したりするなど、レベルを上げていくこともオススメです。知育玩具で頭を使うことで、心地よい疲労感を感じ、お昼寝していてくれる子もいます。また、お留守番の前にお散歩へ行くことで、落ち着いて過ごしてくれる子もいますので、その子が安心してお留守番ができそうだと思うことを、色々試してあげてくださいね。


③吠えている時間が60分以上の場合の対処法

一人ぼっちのお留守番は、まだ控えた方が良いかもしれません

お留守番してもらうことを考えるより、先ずは愛犬をたっぷりの愛情で満たすことを考えた方が良いかもしれません。その子が育ってきた環境にも寄りますが、もしかしたら今まで、たっぷり愛情を注いでもらえなかったのかもしれない、環境の変化についていけてないのかもしれない、歳を重ねて不安を感じているのかもしれない・・・。もしも、愛犬が安心することを求めているのであれば、飼い主さんが引き離すことばかり考えていては、いつまでたっても愛犬の心は満たされず、永遠にお留守番をすることはできません。

その場合は先ず、愛犬を安心させてあげることが大切です。できる限り愛犬と一緒にいられる工夫をし、どうしてもお留守番が必要であれば、ご家族や親戚とスケジュール調整したり、犬好きの友人に頼んだり、信頼できるペットシッターやペットホテルに預けるなど、愛犬が一人ぼっちにならない方法を考えてみても良いかもしれません。そうしているうちに、愛犬に自信がついてきたなら、短い時間から、一人でいることに慣れさせることができるかもしれません。

犬の無駄吠えに対する、よくある質問

1)要求吠えは無視した方がいいの?

愛犬が「遊んで欲しい!」「ご飯が欲しい!」「お散歩に行きたい!」など、何かが欲しいものやことがあるときに、吠えて知らせることを「要求吠え」といいます。一般的に「要求吠え」の対処法は、「徹底的に無視をしましょう」と言われているのですが、それって本当に正しいのでしょうか?

例えば、愛犬からの「遊んで欲しい!」のメッセージを受け取ったときに、徹底的に無視をしたいと思いますか?
遊べるなら「遊ぼう!」だし、遊べないなら「後でね~」となるのが、自然な会話なのではないでしょうか。そして、ある程度一緒に暮らしていく中でお互い、相手の行動パターンを理解していくことと思います。愛犬は、あなたが遊んでくれそうなタイミングで、遊びに誘ってきたりしませんか?それを「徹底的に無視をしなければ!」と思って付き合うのは、犬にとっても人にとっても、窮屈なのではないでしょうか。

2)常に飼い主がリーダーにならなくてはいけない?

これらのしつけ方法の根底には、犬は「主従関係」や「上下関係」を作る動物だと考え、人と暮らすうえでも、それらが必要だと考えられていた名残なのです。しかし現代において、その関係は「力や恐怖で押え付けるものではない」ということがわかっています。そしてそれは、他種を巻き込むものでもない。すなわち「犬が飼い主を下にみている」「犬が飼い主をバカにしている」なんてことでもないのです。要は、階級制度は崩壊しているのです。

家族に迎えた命にとって、あなたはどんな存在になりたいですか?

まとめ

お伝えしてきたように、「吠える」という行動は、犬にとって自然な行動です。

私たち人間も、感じたことや思ったことを伝えるのは、日常的に行っていることではないでしょうか。「吠える」ことは、愛犬からのメッセージです。そのメッセージに対して、「要求吠えは無視しましょう」とか「無駄吠え」だなんて表現するのは、あまりに酷いと思いませんか?

先日お話した飼い主さんは、犬を迎えるにあたってご自宅の窓を、二重窓にしたとおっしゃっていました。まさに「犬を飼う」ということを理解している飼い主さんだと思います。

大切な愛犬からのメッセージを感じて受け入れ、適切に対処していくことが大切なことかと思います。自分のメッセージを感じとってくれる飼い主さんと暮らすことは、愛犬にとっても安心できることになります。愛犬からのメッセージを受取ってあげられる飼い主さんになって、愛犬にとって絶対的に安心できる存在になってあげてくださいね。

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