子犬の成長はとても早く、あっという間に大きくなってしまいます。
家族に迎い入れた愛犬が、これまでどんな成長をしてきたのか、これからどんな成長をしていくのか、気になるのではないでしょうか。私自身、この子犬の成長過程を知ったとき「愛犬が子犬のときに知っていたかったな!」と思ったことがあったので、ここでお伝えしたいと思います。相手は生き物ですし、それまでの環境によって多少の違いもありますが、少しでも知ることができたなら、飼い主さんの安心にもつながることかと思いますので、参考になったら嬉しいです。
犬の成長過程
子犬を家族に迎い入れてから、日に日に変わる愛犬の成長を感じていることかと思います。
子犬が1才のお誕生日を迎えるころには、人間に例えると15~17才くらいだと換算され、あっという間に成犬になってしまいます。その後、1年ごとに4才ずつ年を重ねると言われています。一瞬で過ぎてしまう子犬期は、ギュッと濃縮されたような、とても大切な時間でもあるのです。
それでは、一瞬で過ぎてしまう子犬期に、子犬はどんな成長過程をたどるのでしょうか。
生後0~2週間 新生児期
新生児期と呼ばれる時期で、生まれたばかりの子犬は、目も見えず、耳も聞こえない状態で誕生します。
しかし、嗅覚と味覚、温かさを感じえることができるので、母犬や兄弟犬のところへ体をくねらせて近づき、眠ったり、母乳を飲んで過ごします。また、自ら排泄を行うことができないため、母犬が陰部を舐めて排泄を促します。
この時期に兄弟犬と、コロコロと団子のようになって過ごすことで、他犬との接触を肌で学んでいきます。
生後2~3週間 移行期
移行期と呼ばれる時期で、目と耳が開き、光や動くものに反応するようになります。
母犬の助けなしで排泄を行うようになるため、排泄をする移動スペースがないと、清潔を保つための学習がされない可能性があるため、トイレと寝床のスペースを確保する必要があります。
よちよちと歩き始め、兄弟犬とひっくり返ったり、持ち上がったりと、他犬との接触が増えていきます。また、並んで母乳を飲むことによって、他犬と一緒に食事をすることを肌で学んでいきます。
生後3~12週間 社会化期
社会化期と呼ばれる時期で、子犬が成長していく上で、とても重要な時期になります。
兄弟犬との接触が活発になり、兄弟犬同士で甘噛みをしながらじゃれあって遊び、お互いどのくらい噛んだら痛いのかを経験したり、遊びが盛り上がり過ぎると母犬に怒られるなど、噛むことの抑制や興奮の抑制などの社会性を身につけてきます。同時に、コミュニケーションをとるためのボディランゲージ(尻尾や耳を動かしたりなどの犬同士の会話)を見せ始め、兄弟犬や母犬と過ごすことで、そのやり取りを学んでいく時期でもあります。そして、運動神経の発達、歯列の発達、食べ物への興味、知らないものへの興味など、子犬の行動もどんどん活発になっていきます。
しかし、現在の日本の法律では、49日規制(50日目から、引渡し、販売可能)ですので、ほとんどの子犬は、生後8週齢前に母犬や兄弟犬と引き離され、犬同士のコミュニケーションを学ばないまま、ブリーダーやペットショップで販売されるようになります。
そのため、子犬を向かい入れた飼い主さんは、できるだけ早い段階で、さまざまな人、犬、物や場所などの経験をさせる、社会化が必要になっています。この時期に、色々な楽しい経験をすることで、心身ともに柔軟性を身につけていきます。
*現在「8週齢規制」として、生後56日(生後8週齢)未満の子犬や子猫の引渡しや販売を禁止する活動が行われています。
生後12~30週齡 若齢期(第2社会化期)
若齢期と呼ばれ、第2社会化期と呼ばれるように、社会化期に引き続き、注意をしながら社会化を続けていく時期になります。
この頃になると、周りへの関心が高まり、どんどん活動的になっていく一方、少しづつ警戒心や恐怖心を感じるようになってきます。それはこの時期、自然界では巣穴から出て、行動範囲が広くなっていくため、身を守るための本能でもあるのです。そのため、それまで気にしなかったものを警戒してみたり、興味を示す対象にも変化を感じることがあります。
そして、早い子だと24週齢頃で性成熟し、メスの子では初めての発情期を迎えます。生後28週齢頃に永久歯が生え揃っていくなど、身体の面では成犬に近付いていきますが、行動面では1~2才にならないと成熟しないと言われるくらい、中身はまだまだ子犬です。
また、人間でいうところの反抗期の時期とも言われています。それまでできていたはずのトイレを違うところでしてみたり、呼んでも来なくなったりすることもありますが、中身はまだ中学生だと思って、注意をしながらもおおらかに教えていきましょう。
社会化で大切なことは?
社会化期のところでお伝えしたとおり、子犬の成長にとって社会化期は、とても重要な時期になります。すでに、子犬の社会化についての認識が高まり、取り組んでくださる飼い主さんも増えてきています。
しかし、社会化が必要だからといって、迎い入れて間もない子犬を、いきなり知らないところや場所に慣れさせることは必要はありません。子犬が新しい環境に少し慣れてきたら、子犬の様子を見ながら進めていきましょう。
安心できる飼い主さんと楽しい経験を積むことが、何より大切なのです。
外の世界に触れることが大切
ワクチン接種の関係もあると思いますが、完了するまで待っていては、大切な社会化期が過ぎてしまいます。抱っこやカートで、お散歩に出かけても良いでしょう。外の匂いや音、さまざまなタイプの人間、動物を見るだけでも、良い経験になります。
子犬を可愛がってくれそうな人と触れ合わせる
さまざまなタイプの人間に合わせることも大切ですが、制服を着た人、帽子をかぶった人、杖を付いてる人などは、スルーできる程度で良いでしょう。
それよりも子犬にとって、楽しい経験を積むことが大切です。犬が好きそうな、愛犬を可愛がってくれそうな人に触ってもらいましょう。その時も、愛犬の様子をよく観察して、無理をさせ過ぎないようにしてください。
子犬が人好きそうであれば、犬が好きな友人やご家族を自宅に招いて、愛犬と触れ合ってもらうのも良いでしょう。
犬が恐がる様子を見せたら
子犬の気持ちに寄り添ってあげましょう。びっくりした程度なら「びっくりしたね~」、恐がっている様子なら「怖かったねぇ~」など、穏やかに少し楽しそうに声をかけてみましょう。すごく当たり前のことを書いているように思うかもしれませんが、一生懸命になっていると、意外と見落としがちになってしまします。
子犬が恐がる様子を見せたら、無理に近づけたりせずに、子犬が自ら近づくのを待ってあげてください。自分で理解していくことも、大切な経験につながります。


