犬のパーソナルスペースを理解して、愛犬を守ろう
パーソナルスペースって、人間同士の間でも無意識に調整しているくらい、大切なものですよね。
実は犬たちの間にも存在し、とても大切なものです。
そして、このパーソナルスペースを理解することで、解決できるモンダイもたくさんあるのです。
ここでは、犬のパーソナルスペースについて、お伝えしたいと思います。
もくじ
パーソナルスペースって?
パーソナルスペースとは、他者が近づいてきたときに、自らの身を守るために保つ空間のこと。
人の場合、自分の両腕を精一杯伸ばして、ぐるっと円形にとった距離が、基本的に必要なパーソナルスペースだと言われています。
そして、自分の円と相手の円の重なり具合が、相手との関係によって変わってきます。
相手の方との間柄によって、無意識に必要な距離を調整しているのです。
ぐんぐん近付いて来られて、じわじわ下がったりする・・・なんてこと、ありますよね。
相手が必要とするパーソナルスペースを感じ取れること、大切だったりします。
犬のパーソナルスペース
犬にもパーソナルスペースがあり、人間と同じように相手との距離を守ることが、とても大切です。
犬のパーソナルスペースは臨界距離とも呼ばれています。
犬に遠い距離から、
- 逃避距離:危険を感じたときに、逃げることで安全を保とうとする距離
- 警戒距離:なんらかの理由により、逃げられないときに起こる攻撃行動が出る距離
- 臨界距離:更に追い詰められたときに起こる、攻撃行動が出る距離
と、言われています。人と同じように、自分の身を守るために、とても大切な感覚です。
愛犬のパーソナルスペースを守る
犬にとってのパーソナルスペースを守ることが、とても大切なものだとお伝えしてきましたが、このパーソナルスペースがどのくらいなのかは、個体によってそれぞれです。
もともとの気質や、それまでの環境、学習によって違いが出てきます。
愛犬のパーソナルスペースを見付けて、守ってあげてくださいね。
愛犬のパーソナルスペースを知る
愛犬が逃げるという行動を見せたなら、その距離がその子にとっての、逃避距離です。
逃げるという行動で示してくれているのは、とても平和的に「嫌だ!」のメッセージを伝えてくれているのです。
にも関わらず、強引にその距離を縮めようとすると、警戒距離に入り込み、愛犬の攻撃行動を引き出してしまい兼ねません。
愛犬が平和に対応してくれならば、こちらも平和な対応で応えましょう。
愛犬が何に不快を感じているのか、しっかり見極め、愛犬にとって平和な対応を見つけましょう。
パーソナルスペースで理解できる、愛犬のモンダイ行動
飼い主さんから、よくあがるお悩みの中から、パーソナルスペースを意識することで、解決できる愛犬の行動をあげてみました。
『もしあなたが、愛犬の立場だったら、どうしてほしいですか?』
それを考えることで、愛犬にしてあげられることが見つけられるかと思います。
愛犬に気持ちになって、守ってあげてくださいね。
お散歩で吠える
お散歩で知らない人やもの、犬に吠えるという行動。
パーソナルスペースを理解することで、自然と解決できる行動ではないかと思います。
なぜなら、お散歩に行くとき犬たちには、リードが付けられ、自らの行動を制限されているからです。
- 苦手なものが近づいているのに、逃げられない。
- 嫌なことが起こりそうなのに、逃げられない。
そうなると、自らの身を守るために、『こっち来ないで!』と、吠えて知らせることになるのです。
対処法:お散歩で吠える
【ポイント】
- 愛犬が不快に感じている対象を見付けてあげる
- その対象から、愛犬が必要としている距離を保ってあげる
このポイントを抑えて、あとは飼い主さんができそうな対処法で対応していきましょう。
- 苦手な対象が現れる道を歩かない
- 苦手な対象が現れたら、愛犬と楽しく道を変える
- 苦手な対象が現れたら、愛犬と楽しく走り抜ける
- 近寄ってくる対象を静止する
- 愛犬が大好きなオヤツを持って、苦手なものから愛犬の気を逸らす など
他にも、愛犬のことをわかってあげている、飼い主さんだから思いつくことがあるかと思います。
是非、試してあげてください。
愛犬の気持ちに気付いてあげられたことを大切にして、楽しく対応してくださいね。
来客に唸る、吠える
来客に唸る、吠えるという行動。
こちらも、パーソナルスペースを理解することで、解決できる行動ではないかと思います。
普段、ご家族とだけ過ごしているお家に、知らない人が来るというのは、犬にとっては大きな刺激となります。
- 知らない人が家に来る
- 安全かどうかわからないのに、近付いてくる、触ろうとする、など
そうなると、自らの身を守るために、『こっち来ないで!』と、吠えたり唸ったりして、知らせることになるのです。
ちなみに、子犬の頃から来客が多く、その度に『来客が自分(犬)に関わることはない』という学習をしている子であれば、来客は慣れたものだったり、来客の度に『自分(犬)にとって楽しいことが起こる』という学習をしている子であれば、来客は嬉しいものだったりします。
対処法:来客に唸る、吠える
【ポイント】
- 来客以外に、他の選択肢がないか検討する
- 愛犬の安全を守ってあげる
このポイントを抑えて、あとは飼い主さんができそうな対処法で対応していきましょう。
- 自宅に招かず、外で会う
- 来客者に、愛犬に関わらないでほしいことをお伝えする
- 安心できる場所を用意する
- 気を紛らわせられるものを見付けてあげる など
他にも、愛犬のことをわかってあげている、飼い主さんだから思いつくことがあるかと思います。
是非、試してあげてください。
愛犬の気持ちに気付いてあげられたことを大切にして、楽しく対応してくださいね。
最後に
犬のパーソナルスペースについて、お話してきましたが、いかがだったでしょうか。
私たち人間が無意識に保っているパーソナルスペースがあるように、犬には犬のパーソナルスペースがあるのです。
そしてその距離は、飼い主さんと同じではないのです。
ここであげたこと以外にも、愛犬のパーソナルスペースを見直すことで、解決できることがたくさんあると思います。
そして、愛犬が必要としているパーソナルスペースを理解することは、愛犬にとっても飼い主さんにとっても、安心につながることかと思います。
愛犬のモンダイ行動だけに着目するのではなく、一度愛犬の立場になって考えてみてください。
愛犬のことが大好きな飼い主さんなら、きっと見つけられるはずです。